認知症新薬の投与患者2割 副作用の懸念など障壁に
都健康長寿医療センター
東京都健康長寿医療センターは、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」や「ドナネマブ」による治療を希望した外来受診患者のうち、実際に投与されたのは約2割だったとする研究結果を公表した。投与に至らなかった主な理由は、「重症度が高く適応外」や「副作用の懸念や通院負担」などだった。
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同センターは、より安全で負担の少ない治療法の開発や早期治療の必要性の啓発、患者の意思決定を支援する仕組みづくりなどを今後の課題に挙げている。
2023年12月のレカネマブ、24年11月のドナネマブの相次ぐ保険収載により、アルツハイマー病の根本的な病態に働きかける抗アミロイドβ抗体薬(抗Aβ抗体薬)が実臨床に導入された。
同センター脳神経内科の井原涼子らの研究グループは、抗Aβ抗体薬の治療を希望して同センターの「もの忘れ外来」(第1段階)を受診した患者を対象に治療開始に至った患者の割合などを解析した。来院した456人のうち209人が「DMT外来」(第2段階)に紹介され、解析対象期間内に受診した患者は205人。最終的に抗Aβ抗体薬の治療を開始できたのは87人で、治療を希望した456人の約2割にとどまった。
治療に至らなかった主な理由として、第1段階では「疾患の重症度が高いこと」、第2段階では「同意説明段階での本人・家族の希望による辞退」が最も多く、「アミロイド陰性」「MRIでの禁忌所見」が続いた。
また、辞退の理由として、アミロイド関連画像の異常という副作用への懸念や、通院の負担などが多く挙がった。
同センターでは、諸外国と比べて経済的な障壁が低い日本の皆保険制度下でも、医学的な適格性や患者・家族の意思決定によって治療に至る患者が限られる実態が浮き彫りになったと指摘。今後は、より安全で負担の少ない治療法の開発とともに、患者が治療のメリットとリスクを正しく理解し、納得して治療を選択できるような「共同意思決定」を支援する体制の構築が重要となるとしている。
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